【火災保険】保険金額の新価/時価とは?違いは何?

こんにちは。

ご覧いただきありがとうございます。

本記事では火災保険(地震保険)における

「保険金額」について、「新価」と「時価」の違いについて説明します。

どちらを推奨するのかは別記事にてまとめますので、

本記事ではあくまでも「新価/時価とは」とその違いについてのみ説明します。

それでは「新価」と「時価」について説明します。

/

●新価

新価は別名「再調達価額」ともいう保険金額の設定基準で

事故が発生した場合に「新品を再取得するために必要な金額」を指します。

/

時々、新価を取得価額(建築費相当額)と考えている方もいらっしゃいますが、新価=取得金額ではございません。

新価=取得金額と勘違いしていると、万が一の事故で全損被害が発生した場合に受取保険金が不足し、多額の自己負担を強いられる可能性がございますので注意が必要です。

では取得金額が新価でないのであれば、新価はどのような金額なのでしょうか?

/

その算出は取得金額×新価係数(物価変動係数)で行われます。

/

取得金額を「ベース」とし、取得時と現在の物価の変動を調整し、取得金額を現在の物価相当額へ修正した金額です。

例えば、10年前に税抜1,000万円(税込1,050万円)の金額で建てた一軒家が火災により全焼してしまった場合、再度同じ場所で同じスペックの一軒家に建て替えるために必要な金額は何円か?という観点で計算します。

10年前と比較すると、まず消費税が上がっております。

それだけでも5%分の増加分を見込む必要がございます。

/

そのほか近年は物価が高騰しており建築資材はもとより工賃等も上昇しており10年前1,050万円で建てた一軒家はおそらく1,050万円では建たず、

1,200万円程度かかってしまうかもしれません。

/

その場合の「新価」は1,200万円となります。

/

「新価」という基準についてイメージできましたでしょうか?

/

万が一、新価=取得金額と勘違いしていて、

保険金額を1,050万円と設定してしまっていたら、、、

全焼した際の受取保険金が保険金額である1,050万円が限度となってしまい、

150万円もの予期せぬ自己負担額が必要となってしまいます。

/

この150万円の自己負担が発生しないよう、取得金額から物価上昇幅を織り込んで今再築するとすればかかる1,200万円と設定することが

保険金額を新価で設定し、適切な保険金額で保険をかけるということになります。

新価で保険金額を設定する場合には

「新価=取得金額×新価係数(物価変動係数)」ということを理解し、適切な保険金額設定を行えるよう気を付けてください。

※新価係数は代理店や保険会社システムで把握可能ですので、取扱代理店や保険会社へ問い合わせください。

/

●時価

時価は事故発生時に「事故発生の直前の瞬間」までの復旧にかかる費用を基準として行う保険金額設定基準です。

『「事故発生の直前の瞬間」までの復旧』を対象とするため、

ほぼすべてが「中古」の状態への修理や「中古品」を再度購入するための金額までが補償されます。

/

自動車保険における車両保険金額が毎年減価償却を反映した金額となることと同じです。(車両保険金額は新車以外の場合、時価で設定されます)

/

ですので、時価で保険金額を設定し、事故が発生した場合には

新品の再取得までの費用は保険上認定されないということです。

とはいえ、修理や再取得の際には当然新品での再取得が基本となります。

(わざわざ中古の部品を使用して、修理や再取得を行う方は稀だと思います)

その場合には新品での修理にかかった費用から減価償却分が控除されます。

/

このことを新旧交換控除(英語でNFO=New For Old)といいます

/

古いもの(Old)のために(For)新しいもの(New)を使用した金額を控除するという意味です。

/

時価での保険金額は以下の計算式で算出されます。

「時価=取得金額×新価係数(物価変動係数)×(1-減価償却率)」

取得金額×新価係数(物価変動係数)までは新価の設定の際と同じです。

そこから保険の対象の取得時からの年数等を基にした減価償却率をかけます。

※減価償却率は新価係数同様、保険代理店や保険会社へ確認ください。

/

保険金額が時価設定で、事故が発生した際の受取保険金の例は以下の通りです。

10年前に新築した取得金額1,000万円(新価1,200万円)の建物で

火災が発生し、修理費用500万円が発生した。

※保険金額は時価設定であり、減価償却率は30%であった。

(保険金額=840万円)

修理費500万円×(1-減価償却率30%)=受取保険金350万円

修理費500万円-受取保険金350万円=自己負担150万円

/

時価設定にしている場合、よっぽどの新品に損害が発生しない限り、

減価償却により新旧交換控除が適用され、ほぼ確実に自己負担額が発生します。

/

この自己負担額は損害額に対し、「常に一定の割合(比率)」で発生します。そのため、損害額が高額になればなるほど自己負担額も比例的に大きくなってしまうのが時価で保険金額を設定する際の大きなポイントであり注意点となります。

/

以上が「新価」と「時価」の違いです。

新価は「再調達価額」ともいい、「新品を再取得するために必要な金額」が補償されるのに対し、

時価は「事故発生の直前の瞬間までの復旧にかかる費用」までが補償されます。

/

それぞれの特徴を理解し、どちらの保険金額に設定するかをご検討いただければと考えております。

以上です。

/

最後までご覧いただきありがとうございました。

他にも各種保険に関する記事を書いておりますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。

また、本記事で説明した火災保険の設定基準をはじめ、

火災保険/地震保険の補償内容の検討や見直しにあたってのポイントを解説したチェックシートをスキル共有サイトのココナラで販売しております。ぜひご覧ください。

火災保険 補償内容検討/見直しシート販売します 補償内容の検討/見直しのポイントをまとめています! (coconala.com)

/

CATEGORIES:

共通

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です