損害保険の2分類(補償と賠償)

こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。

本記事では、損害保険の分類について説明します。

損害保険、特に企業向け損害保険は種目数が多く、名前を聞いても何のための保険なのかがわかりづらいことがあります。その時に、以下で紹介する保険の分類を覚えておくと、それが何のために加入する保険なのかの整理がつきやすくなります。

それでは解説していきます。

損害保険の目的は大きく「補償」「賠償」に分かれます。

その違いは「だれに」損害が発生したことをトリガーとするかです。

「補償」「自分」に損害が発生したことがトリガーになります。

一方で、「賠償」は自分の行為によって「他人」に損害が発生したことがトリガーになります。

※いずれも最終的には「自分」の被った経済的損害を補償するものであるため、あくまでもトリガーが「自分」か「他人」かという分類にしております。

「補償」タイプの損害保険の「自分」に損害が発生するというのは、例えば、自分(自社の従業員)が負傷した、自分の家(自社の工場)が火災で燃えた、というような「自分」が主語になるものです。

保険種目としては、火災保険、傷害保険、労災総合保険、利益保険、取引信用保険などがあります。

一方、「賠償」タイプの損害保険の「他人」に損害が発生するというのは、自分の行為によって「他人」に迷惑をかけてしまったことを指し、例えば、自転車で走行中に歩行者にぶつかってしまった、自社の施設の木が倒れ、近くに停車中の自動車を破損させてしまったなどがあります。自分の不注意によって「他人」に経済的な損害が発生するというような、「他人」が主語になるものです。

保険種目としては、個人賠償責任保険、施設賠償責任保険、生産物賠償責任保険などがあります。

「自分が被害を被ったか」「自分の行為によって他人が被害を被ったか」が違いになるということです。

お分かりになりましたでしょうか?

これらの保険の簡単な見分け方は、「他人」の損害をトリガーにする保険は、基本的に「●●賠償責任保険」という名前になります。

賠償責任保険と名がつけば、その名の通り「賠償」タイプなのだとご認識いただければ問題ないと思います。

一方で、賠償責任と名がつかない保険は基本的には「補償」タイプの保険ということになります。

これを基に、何かの保険を検討する際には、今自分が欲しいのは「補償」タイプの保険か、「賠償」タイプの保険なのかを考えていただくことで、自分の求める保険を探すことが容易になります。

ちなみに自動車保険は一つの保険種目の中で、「補償」と「賠償」を同時に加入する数少ない保険です。対人賠償、対物賠償はその名の通り「賠償」になりますし、人身傷害、車両保険は「補償」タイプとなります。

このような保険は企業向けでは労災総合保険・業務災害補償保険(法定外補償・使用者賠償責任のセット)などがあります。

いかがでしたでしょうか?本記事が皆さんの保険選びや保険の整理の一助になれば幸いです。

ご覧いただきありがとうございました。

No responses yet

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です